さまざまな減速機の仕組みや構造を解説!
目次
減速機には様々な種類があります。種類別の構造やその特長を解説します。
そもそも減速機とは?
減速機とは、歯車などで動力源(モータなど)の回転数を落とし、高いトルクを得るための機械装置です。
例えば、モータなどの動力源の回転数を1/2に減速すると、発生するトルクは2倍になります。減速比に反比例したトルクを得ることができます。
減速機の種類とその構造・特長
減速機には大きく分けて5つの種類があります。
ウォーム式
構造 | ウォームギア(ねじ状の歯車)とウォームホイール(ウォームホイールギア)を組み合わせて利用し、ウォームギアが回転することで、ウォームホイールの歯を送って回転させる機構です。 |
特長 | 一つの組合せで高い減速比を実現することができます。またその他の機構に比べて、バックラッシを小さくできるのも特長です。バックドライブを防止できるセルフロック機能も持っています。 |
ギア列式
構造 | 複数のギアを組み合わせてた機構です。配置スペースを抑えるために、2段ギアがよく使われています。 |
特長 | 組み合わせるギアの個数で比較的簡単に減速比を選択できることや、組立が容易で安価に作れることが特長です。 |
多段遊星式
構造 | 太陽ギアとその周りに複数の遊星ギアが配置され、それと組み合わさるリングギアからなります。遊星ギアはキャリアに支持されています。太陽ギアが駆動すると、遊星ギアへ動力が伝えられ、自転しながらリングギアの内周をキャリアと一緒に公転します。この公転が出力となります。この太陽-遊星-リングギアの組み合わせを複数段連結させることで、大きな減速が可能となります。 |
特長 | 高減速が可能な点、入力軸、固定軸、および出力軸が同芯上にある点が特長です。 |
波動歯車式
構造 | 変位を発生させるウェーブジェネレータ、柔軟で可撓性のあるフレックススプライン、およびサーキュラースプラインの3つで構成されます。ウェーブジェネレータが回転するとフレックススプラインが変形しながら固定されているサーキュラースプラインと噛合い、フレックススプラインの自転が出力となります。多段遊星式と同様に入力軸、固定軸、および出力軸が同芯上にあります。 |
特長 | 正逆運転時の繰り返し位置精度の高いことが特長です。これは、通常のギアの噛合いと異なり、フレックススプラインの歯がサーキュラースプラインへ楔のように出入りするため、バックラッシがほぼ無い状態で嚙合わせることが可能になるためです。 |
差動遊星式
構造 | 太陽ギアとその周りに複数の遊星ギアが配置され、それと組み合わさる2つのリングギアからなります。リングギアは一方が固定され、他方が出力となります。太陽ギアが駆動すると、遊星ギアへ動力が伝えられ、自転しながら2つのリングギアの内周を公転します。この公転が多方のリングギアに伝えられ、出力となります。太陽ギアと遊星ギアは同期していますが、遊星ギア-固定リングギアと遊星ギア-出力リングギアに回転差が発生します。 |
特長 | 高い減速比とコンパクトなサイズにできることが特長です。 |
減速機付きモータの構造
減速機付きモータとは「ギアードモータ」、「ギアヘッド付きモータ」とも呼ばれます。モータの先端に左図のような減速機が組付けられた状態で販売されている商品のことをいいます。
まとめ
スターライト工業では、樹脂ギアを用いたギア列式、多段遊星式、差動遊星式において最適なカスタマイズ設計・提案が可能です。お気軽にお問合せください。