減速機の潤滑に必要なオイルの役割や種類
目次
減速機の潤滑に必要なオイルとは?
一般的に、減速機には潤滑が必要になります。今回は潤滑剤の一種である「オイル」について解説します。
オイルの役割
オイルの役割は、減速機内部の潤滑や冷却、防錆です。
潤滑 | 減速機の歯面には大きな圧力や衝撃が加わります。この圧力や衝撃が歯折れや摩耗を引き起こす恐れがあります。オイルは歯面に油膜を作って、圧力や衝撃を和らげることができます。そのため、歯の摩耗や焼き付きを軽減させ、長持ちさせることができます。 |
冷却 | 熱には潤滑剤の粘度を低下させる作用があり、粘度が低下すると摩擦面で凝着が発生します。この凝着が歯筋方向に広がり、傷になります。この傷は振動や騒音、発熱などの問題を引き起こす恐れがあるため、冷却をして熱を発生させないことは非常に重要なことです。 |
防錆 | オイルは歯面の錆びを防ぎ、保護することができます。 |
オイルの交換時期や注意点
■オイルの交換時期
オイルの種類や使用条件によって異なります。使用しているオイルや減速機を使用している状況を加味して、交換しましょう。
■オイルを交換するときの注意点
塗布量に気を付けましょう。減速機の取付姿勢(上下方向・左右方向)に応じて、塗布量が異なります。減速機についている油面計(オイルゲージ)や取扱説明書を確認して、適切な量で塗布する必要があります。塗布量を誤るとオイル漏れや潤滑不良の原因になりかねません。
オイル漏れが発生する原因
オイル漏れはそれ自体が問題ですが、減速機周辺のものが汚れてしまうなどの問題も引き起こしかねません。オイル漏れが発生する原因は以下のとおりです。
1.塗布量の間違い
製品や取付姿勢によって推奨の塗布量は異なります。間違えやすいので、塗布量には気を付けましょう。
2.シールの摩耗
オイルを封しているシールが摩耗することでオイル漏れにつながります。シールのメンテナンスを定期的に行うようにしましょう。
オイルの種類と選定方法
減速機に使われるオイルの種類や選定方法について解説します。
オイルの種類
減速機に使うオイルは、工業用ギヤー油です。工業用ギヤー油は「1種」と「2種」に分けられており、さらに粘土によって細かく分けられています。
オイルの選定方法
減速機の種類や大きさ、減速比、周辺の温度など様々な条件を加味して適切なオイルを選定する必要があります。減速機メーカーが推奨しているオイルを使用しましょう。
オイルなどの潤滑剤が不要な減速機
スターライト工業の減速機は初回のみグリス1*を塗布します。2回目以降の塗布は想定しておりません。
グリスを追加しなくても高耐久2*な、スターライトオリジナルしゅう動材料「エスベア®」をギア(歯車)に使用しています。グリスレスでも高耐久なため、定期的なグリス追加が不要でメンテナンスフリーです。グリスの購入費用や交換の作業を削減できます。
1*グリスとはオイルなどの潤滑剤の一種です。弊社の減速機はオイルではなくグリスを使用します。
2*市販の樹脂と比較した場合